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6月の誕生石は?
6月の誕生石はパールです。
誕生石の意味は純粋、健康、長寿、富。
パールは最も古くから知られる宝石のひとつで、何世紀にもわたって最も価値があるとされてきました。日本人にも真珠として馴染み深い宝石で、冠婚葬祭さまざまなシーンで身につけることができるお守りのような石です。
パールについて
パール
和名:真珠(しんじゅ)
名前の由来は「洋ナシ」を意味するラテン語の「ピルラ(perla)」や、二枚貝を意味する「ペルナ(perna)」からつけられた、など諸説あります。
パールは上品な乳白色の輝きが特徴です。その神秘的な輝きから「月の涙」、「涙の象徴」と呼ばれることもあります。
生命力がつくる宝石材
パールは貝がつくる生物起源の宝石材です。
パールをつくる貝は、軟体部の外側に殻をつくりだすための外套膜(がいとうまく)という肉膜があります。
何らかの理由で異物が外套膜の細胞に接して貝の内部に入ると、異物を核にして殻の成分が分泌され、パールがつくられます。パールは層を重ねるように成長していきます。電子顕微鏡で観察すると、層は規則正しく積み重なっているのがわかります。この層は霰石(あられいし)と同構造の炭酸カルシウムで、層間にはコンキオリンなどのタンパク質の薄層があり、これが接着剤の役割をしています。
天然真珠はごく稀にしか採れず、真円真珠はさらに希少でとても貴重でしたが、養殖真珠の技術が確立されてからは宝飾品に多量の真円真珠を使うことができるようになりました。
パールの価値を決める色と巻き
パールはオリエントとも呼ばれる独特の光沢を持ちます。
これは炭酸カルシウムの規則正しい層の積み重なりによって、光の干渉を起こすために見ることができる色です。パールのグレーディングの基本は、色と巻き(層の厚さのこと)で、これに傷がなく形が良いという条件も加わります。養殖真珠の場合は、同じ大きさでも巻きが厚いものほどグレードが高いです。アコヤガイがつくる白色系のアコヤ真珠は、フォーマルジュエリーの代表格となっています。
化学組成 | CaCO₃ |
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色 | 白、淡黄、ピンクなど |
光沢 | 真珠 |
結晶系 | 斜方 |
劈開 | ー |
条痕色 | 白 |
硬度 | 3.5 |
比重 | 2.7 |
パールの伝説
ローマの将軍ウィテリウスは、母親のパールのイヤリングの片方だけで一回の戦役の経費をまるごとまかなった、という言い伝えもあるほどパールは価値が高かったようです。