心理学とは、人間の心と行動を総合的に科学する学問です。
曖昧な心理的状況や概念がどういうものなのか。
それは意識なのか無意識なのか。
「心」とはいったい何なのか。
皆さんも考えたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、今日から使える心理学をいくつかご紹介します。
心の動きを読む
バーナム効果
誰にでも当てはまるような趣味・一般的な記述を自分にだけ当てはまると思い込んでしまう現象のこと。こんなお悩みないですか?と多数に当てはまる質問をするなど。
興行師P・T・バーナムの「we’ve got something for everyone(人には誰にでも当てはまる要点というものがある)」という言葉が由来。
バーナムはサーカスを設立したり、世界巡業を行った人物。
最近では映画『グレイテスト・ショーマン』でも話題となった。
サンクコスト効果
すでに使った時間や費用、コストに対して「勿体ない」という心理が働き、合理的な判断ができなくなってしまう現象。
サンクコストとは埋没費用という意味。
すでに支払っていて、取り返すことができない金銭・時間・労力などのコストのこと。
そしてこのコストを取り返そうとする心理効果をサンクコスト効果と呼んでいる。
返報性の原理
人から何かしら施しを受けた時、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用。
“お土産を買ってきてもらったから、こちらもお返しをしようと考える”といった心理のこと。
返報性は「好意の返報性」「敵意の返報性」「譲歩の返報性」「自己開示の返報性」の4つに分類することができる。
“相手が心を開いて話をしてくれた時、自分も同じように腹を割って話そう”といったことも返報性の原理と言える。
プロスペクト理論
人は損失を避けたいと思うあまり合理的では無い選択をするという意思決定に関する理論。損したくない気持ちを活用したタイムサービスなどが効果的。
初頭効果
最初に抱いた印象が相手のイメージとして記憶に残りやすい効果。一目惚れもこの効果によっていい印象が残る。ビジネスでは最初に前向きな表現を持ってくる。一番初めに力を入れる!
カリギュラ効果
人は何かを禁止されたり制限されたりした時に逆に気になってしまうという心理効果。この箱を開けてはなりません、と言われたら開けたくなってしまう。
ローマ皇帝カリギュラをモデルにした映画『カリギュラ』が名前の由来。
あまりにも残酷で過激な内容であったために、一部の地域では公開を禁止することになった。
これがかえって人々の関心を引き、大きな話題を呼んだ。
このように”あることが禁止された結果、かえってそれが気になってしまう心理現象”をカリギュラ効果と呼んでいる。
ツァイガルニク効果
達成できた事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄の方をよく覚えている現象。
答えはCMの後、と言われると続きが気になり見たくなるようなこと。
心理学者クルト・レヴィンの「人が目標指向的に行動する時は緊張感が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する」という考えに基づき、心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが実験を行った。
「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」という事実を示した。
テンション・リダクション効果
購入時の決断や困難な目標を達成した直後、緊張が緩んだ状態になる心理効果。お会計の際にレジ横の物を追加するのはこのため。一個も二個も一緒だ!買っちゃえ!
テンションは緊張、リダクションは減少・消滅といった意味。
緊張の糸が解けた時、人は注意力が低下し無防備になってしまう。
バンドワゴン効果
ある選択肢を大勢の人が選択していることが、その選択をする人をさらに増大させる効果。
「みんなやってるから安心」「みんな持ってるから私も」と周りの人の評判を判断材料にしてしまう心理。
バンドワゴンとはパレードの先頭にいる音楽隊を乗せた車のこと。
“バンドワゴンに乗る”とは”時流に乗る、勝ち馬に乗る”という意味。
スノッブ効果
「みんなやってるからやらない」「みんな持ってるから要らない」みんなとは違うものが欲しい、違うことがしたい、という心理効果。期間限定商品など。
スノッブとは俗物という意味。
気どってる奴、通ぶる人、知ったかぶりする者、自分は優れていると振る舞う者などを指す。
バンドワゴン効果は「みんなが選んでいるからそれを選ぶ」
スノッブ効果は「みんなが選んでいるからそれを選ばない」
と言える。
終わりに
心理学にはまだまだ生活に使える知識がたくさんあります。
続きはまた次の心理学ナビでお会いしましょう。