人生は何だかんだ色々ある
カーネル・サンダース
白髪に眼鏡、立派なお髭に優しそうな笑顔。
このチャーミングなおじさん。
誰もが一度は見たことがあるのでは?
彼こそがケンタッキーフライドチキンの創設者、カーネル・サンダース。本名、ハーランド・デーヴィット・サンダース。
日本でも大人気のチェーン店。クリスマスにはとくに賑わいます。
あのスパイシーな味は一度食べたら忘れられない。もうやみつき間違いなし。
さて、
この人気のケンタッキーフライドチキンはいつ作られたと思います?
それはなんと彼が65歳の時。日本でいえば定年退職する年齢でした。
驚きでしょう?
年齢なんて関係ない。
”社会の役に立ちたい”という信念、情熱が彼を動かし続けたのです。
それではもう少し、彼の人生をのぞいてみましょう。
幼少期
1890年、インディアナ州クラーク郡のヘンリービルで生まれました。
父親は6歳の時になくなり、母親が工場で働きながらサンダース家を支えました。
10歳の時、木を切る仕事をしました。理由は「家族を助けたい」。
この頃、子供が働くことは何も珍しいことではなかったのです。
とは言ってもまだ子供。仕事に身が入らず1ヶ月でクビになってしまいます。
その時、母からこんな言葉をかけられたと言います。
「仕事で大切なのは、ベストを尽くすこと」
カーネル・サンダースはこの言葉をずっと胸に刻んでいました。
13歳で学校に行くのをやめ、数々の仕事を経験していきます。
青年時代
16歳で鉄道会社に入社。
努力家なのでどんどん出世します。
しかし、事件が起きます。
彼の仲間の社員が仕事中に起きた事故で怪我をしてしまったのに、会社はお金を払いませんでした。
カーネル・サンダースは会社に反発。
結局お金を払わせることに成功しましたが、
その正直さがわざわいし、
会社の偉い人に嫌われて会社を追い出されてしまいます。
22歳で弁護士事務所に勤務。
法廷で弁護する人ともめて殴られたため、カーネル・サンダースも負けじと椅子を投げようとします。
「弁護士が暴力を振るうのは何事か」と問題になり、弁護士の道は閉ざされてしまいました。
26歳には、物を売り歩くセールスマンとして働きます。
カーネル・サンダースは天才的な営業センスがあったようで、一躍トップセールスマンになります。
31歳の時、自分の財産をすべてそそぎこみ、
新しいライトを売る会社を起こします。
しかし、会社はすぐに倒産。
34歳で無一文になりました。
お金がなくなったのでセールスマンに復帰します。
がここでも自動車の事故で大怪我をしてしまい、半年以上も休むことになってしまいました。
ようやく怪我が治り、次の仕事はガソリンスタンド。
このとき37歳。
やっとやっと落ち着くかと思いきや、今度は不景気が容赦なく襲います。
お客さんが困っているのを見過ごせない性格のカーネル・サンダースは、お金は後でいいからとガソリンを渡しました。
不景気はその後も続き、結局ガソリン代も回収できず。またしても仕事を失ってしまう結果に。
転機
その少し後、今度はケンタッキー州でガソリンスタンドを始めます。
ここは大きな通りにあったので、お客さんはたくさんやってきました。
ある日のこと。
お客さんが、「この近くには美味しいお店がない」と不満を漏らしていたのを聞いたカーネル・サンダースは
ガソリンスタンドに食事ができる場所を作ろうと思いつきます。
料理も得意だったので自分が作った料理を提供していました。
ここで人気だったのが、そうです。あの”フライドチキン”。
あまりの美味しさに人が集まり、大繁盛。
ガソリンスタンドも増やし、ホテルも作っちゃいます。しかし、喜びも束の間ー
1956年。65歳の時に全部潰れてしまいました。
高速道路が近くにできたことで、このガソリンスタンドに立ち寄る必要がなくなってしまったのです。
何もかも失ったカーネル・サンダース。
それでも
ならばと、次なる手を考えるのがカーネル・サンダース。
大人気だったフライドチキンを他のお店にも置いてもらおうと考えます。
フライドチキンを作るための道具を車に積み込み、アメリカを転々とします。
もちろん最初はうまくいきませんでした。
1010回断られた、という話もあるほどです。
お金はありません。車で眠る生活です。
でも諦めない。
絶対に諦めない。
フライドチキンを売り歩いて2年がたつ頃。
カーネル・サンダースの電話は鳴りっぱなしになっていました。
「ケンタッキーフライドチキン」は、アメリカに、そして世界に広まっていったのです。
人生はいつからでも、何度でもやり直せる。
失敗しても諦めず、素直に真剣に取り組む。
カーネル・サンダースの姿勢や信念は、私たちに多くの学びを与えてくれます。
できることはすべてやれ。
やるなら最善を尽くせ。
これが何かを達成する感覚をつかむ唯一の道である。
〜カーネル・サンダース〜